りかさんからの頂き物④

カテゴリ: 宝物

「こんにちは、最上さん」
「こんにちは、敦賀さん」

声のトーンがどんどん蕩けていくのがわかる。
最終的には声がなくなってしまうんじゃないかと思うくらい甘いトーンに、自分がどれだけ彼女の存在を求めていたかを思い知る。
完全なる、依存。
それすらも受け入れてしまえるのは、きっと想いの強さから。

「どうしたんですか、やけに優しい声ですね?」
「どうもしないよ。それよりも君のほうこそ、どうしたの」

今日はホテルへと帰る日だから、よっぽどの急用なのだろうと見当付けてみたが・・・・違ったようで。
用件を聞かれてしどろもどろになるキョーコに、先程の暗い気持ちが溶けていく。

「あ、あの、お食事ちゃんとされました?」
「・・・・・・・・・・・・・う、ん」
「やっぱりーーぃ!!」

こういうことだろうとは分かってはいたが、急用でないのならせめて、I miss youくらいのことを言ってくれても良いのにな、と強欲にも思ってしまうのは、妹を溺愛する兄の心が残ってか。
それとも、初めて芽生えた恋心からなのか。
どちらにしても、歩く純情には荷が重い言葉だろう。

「ごめんごめん、夕飯は作って待っててくれる?」
「夕飯で食べないで、いつ食べるんですか!!?」
「よろしく頼むよ」
「もちろんですとも!でも何か口にして、倒れないで下さいね」

眉を八の字にさせて、うるうるした大きな瞳で、こちらに釘を刺しているんだろうと思うと、小さな悪戯心が表れる。
それはまるで、幼少期の久遠少年のような感覚で、蓮は懐かしさに目を細めた。
離れていた数時間の寂しさを込めて、呟きをもらす。

「・・・・I missing you・・・・」
「え・・ッ・・・・なんてことを!!」
「じゃぁね、また連絡する」

一方的に繋がりを切って、慌てふためきながら言葉の意味を歪曲しようと頑張る姿を想像する。
可哀相なくらい慌てふためきながら、自分のことだけを考えれば良い。
他の誰も入り込むことのないように。
恋に焦がれる男の思考は単純で、以前から少女がその状態だとは気付いていない。
想いのベクトルはそれぞれが少し違う方向を向いていた。
それが向き合うまでは・・・・・もう少し。

蓮は今日逢ったら、なんて怒られるかな、そしたらどう釈明しようか・・・・そんなことを思いながら、先程置いてきた社を見つけるべく、現場へ向かう。
その足取りは、とても軽い。
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編集 / 2012.12.26 / コメント: 0 / トラックバック: 0 / PageTop↑

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