ピコさんからの頂き物『さよならの先にあるものは』

カテゴリ: 宝物

皆さんこんにちは


吟千代です。



連日の更新でございますが、自力ではございません。


今日も今日とて頂き物の自慢でございます。

わああん!石を投げないで~

こんな僥倖、一生にそう何度もないことなんだから大目に見て下さいませな~



本日は Bubble Shower  のピコさんから復帰のお祝いに頂いたお話です。


メロキュン研究所の元副所長としてもご高名なピコさんからまさかお話を頂けるとは夢にも思って居らず、未だ信じられない気持ちでいっぱいですが、こうして拙宅のお宝箱にお迎えできる事を幸せに思っています。


昨夜公開されてますので既にお読みの方ばかりとは思いますが、拙宅でもう一度お読みになって素敵な世界に浸ってくださいませ。

そしてご感想はぜひピコ様のお宅へ!


それではどうぞー




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『さよならの先にあるものは』




もう二度と恋をしないと誓ったのに、再び落ちてしまった恋は

愚かだだけど嫌いじゃない、自分が好きになった大切な宝物だった。


あの日、ここで貴方を見送ってから、もう3年も過ぎたんだ。


私も少しは大人びて、周りから綺麗になったと、よく言われるようになりました。

昔みたいに地味で色気のない女だとは思ってないけど、

今でもやっぱりメイクしないと、誰にも気づかれないんですよ。

ひどいでしょ。


天宮さんは、それが私の長所だっていうけど、あんまり嬉しくないです。


「ねぇ敦賀さん。今度私、新開監督の映画で主役に抜擢されたんです。まだまだ敦賀さんの足元にも及ばないけど、約束通り、ずっと女優を頑張ってますよ。」


最後に見送った空港の展望デッキで、飛び立つ飛行機を見上げながら、いつものように話しかける。


新しい役をもらう度にここへ来て報告するのは、あの日以降、私の決まり事になっていた。


同じ空の下で今も頑張っているあの人に、決して届かない報告をして自分を奮い立たせるの。


それだけで十分、幸せだった。


敦賀さんが自分の素性を明かして、『クオン・ヒズリ』としてハリウッドへ旅立っていた日、私は後輩として敦賀さんに別れを告げた。


もうその頃の私は自分の敦賀さんへの恋心も認めていたし、敦賀さんからの好意も感じていた。


でもまだ言葉には、お互いできなかった。


「大切な存在は作れない-------どこに居ても--------」


思いつめたような表情で語った敦賀さんに、もう一度やりなおして欲しくて、

もう二度と後悔してほしくなくて、私は笑顔で「行ってらっしゃい。」と言った。

伝えてもあの頃の私ではあなたの足手まといにしかならないとわかってたから、

何か言いたげだった敦賀さんにも気づかないふりして、一人ここで見送った。


「君も頑張って、いい女優になってね。」


最後に交わした言葉を胸に、私は今も女優を頑張っています。

敦賀さんは、アメリカに帰るとクオン・ヒズリに戻り、ハリウッドで着々と実績を積み重ね、今やハリウッドでトップスターの仲間入りをしていた。


本当に遠い人になってしまったんだ…


じりじりとした夏の陽射しもだいぶ緩み、心地よい風が吹きはじめた夕暮れ時。
そろそろ帰路につこうとする人波に逆らって、一人ぼんやり空を見上げていた。
ノースリーブのブラウスでは少し肌寒い。

風邪をひいたら大変ね。

体調管理も女優の大切な仕事の内。

もうすぐ日もくれるし、そろそろ帰らないと。


最後にあの日、敦賀さんが乗った飛行機と同じ機体が飛び立つのを見て、小さく呟いた。

「敦賀さん、いつか、自分の演技に自信が持てたら、会いに行ってもいいですか?それまで待っていて下さいね。」


返事がないとわかっていたから、口に出してしまった本音。


「もう、私の事なんか忘れてしまったかもしれないのに、待っていてくださいなんて、生意気ですよね・・・・」


自分が口に出してしまった言葉に、敦賀さんの呆れた顔が思い浮かんで、失笑してしまう。


「それでもいいんです。

貴方を好きでいられることが、私が頑張れる力の源になってるんです。」


自分の言葉に大きく頷いて、振り返ろうとした瞬間、誰よりも聞きたかった声に息が詰まりそうになる。


「忘れるなんて、できないよ。」


「・・・・・・・?」


ゆっくり振り返ると、あの日別れた時と同じ姿で穏やかな笑顔を浮かべて立っていた懐かしい人。


「ただいま、最上さん。」


「嘘っ、どうして敦賀さんがここにいるんですか?」


「うん?もう待ちくたびれたから、迎えにきたんだ。」


「ふへっ…」


沈みかけた夕日が真っ赤に染まって、敦賀さんの顔を赤く照らしている。

鍛えられた胸板もむき出しになった鎖骨も、私が覚えている敦賀さんと何も変わっていない。


髪の色も瞳の色だって、昔のままだった。


クオン・ヒズリに戻ったはずなのに、どうして?

スクリーンの向こうでいつも見ていた綺麗なブロンドや青い瞳とも違う。


戸惑うばかりで、上手く言葉が出てこない。


蓮はそんな彼女のを抱きしめようと、一歩前に近づくが、距離が詰められないように一歩後ろに下がる彼女。

それでもまた一歩前に進むと、また離れようとする。

首を何度も横に振って、瞳を震わせる。


「ちゃんと向こうで昔の自分にけじめをつけてきたから、今度は敦賀蓮に戻って、日本で活動するつもりだよ。」


顔をあげて、キョーコは蓮をキッと睨み付けた。


「駄目っ!そんなの絶対に駄目です!」


放った言葉に、緊張の糸が切れて、堰を切ったように涙が溢れ出してきた。


「どうして、戻ってくるんですか?ハリウッドで認められるのは、敦賀さんの夢だったんでしょ。やっと夢が叶ったのに・・・・世界中の人が貴方を認めてるんですよ。

こんな所にいないで、さっさとアメリカに帰ってください。」


「酷いな…今戻ったのに、もう帰れって、後輩が言う言葉かな。」


「ごめんなさい…」


しょんぼりして俯いた隙に、近づいてギュッと抱きしめる。


「もう…先輩でなんていられないから、いいよ。君が、好きだ。愛してる…」


フルフルと首を横に振って、キョーコは蓮のシャツを握りしめた。

ぽろぽろと流れる涙は、止まることをしらない。


「違います。私が知っている敦賀さんは、私なんかを好きになりません。

早く悪い夢から覚めて、帰ってください。今更そんな事言われても、迷惑です。」


ギュッと握りしめたシャツに力が入る。


「夢でも幻でもない。現実だ!君が好きなんだ。君しか、欲しくないんだ。」


「違うっ…嘘です…」


「嘘なんかじゃない、俺は、本当に君が好きで、忘れられなくて、戻ってきたんだ。」


「貴方は…馬鹿ですか。いえ昔の幻影に惑わされた、愚か者です!私なんかに、こだわっても、何もいい事ありませんよ。貴方にはもっとふさわしい女性が、たくさんいます。」


「誰?誰がいるって言うの?最上さん以外、俺をこんなにも心震わす存在なんて、どこにもいないよ。」


「つっ・・・・」


「離れてみて、よくわかったんだ。君がいないと俺は駄目なんだ。

明日が…見えないんだよ。」


零れる涙を拭おうと唇を寄せると

抱きしめた薄い背中が小さく震えている。

何度も何度も溢れる涙を唇で掬って、愛の言葉を囁き続けた。


蓮のシャツを握りしめていた手はやがて緩み、縋る様に蓮の胸に手を当てる。


「そばに、いても、いいんですか…」


「もちろん。」


子供のように無邪気に笑う蓮が、いつもの大人びた表情とも違ってとても自然で、

キョーコも素直に蓮の言葉に頷けた。

何度別れても再び巡り会えたこの奇跡に感謝しながら、彼の大きくて温かい手をゆっくりと握った。


「私も・・・・貴方の事が…ずっと好きで、好きで、忘れられませんでした。」


「愛してるよ、キョーコ。もうこの手は、離さないから、ずっと傍にいよう。」


やがて触れ合った唇は、どこまでも深く、

そして少ししょっぱい、涙の味がした。




吟千代のブログ



おわり





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真摯に愛を乞う敦賀さんに、けなげに強がりながらも揺れる可憐なキョコたんが素晴らしい!


ピコさん、素敵なお話をどうも有難うございました。


大切にさせて頂きます!




それにしても、なんどやっても素敵なお話に自分の拙い絵を入れるのは勇気が要ります。

これ修行かな?うん、がんばります。




吟千代

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編集 / 2013.07.22 / コメント: 0 / トラックバック: 0 / PageTop↑

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